プロダクション
素材整理
- 撮影が始まると画データ(オフライン用)、音データ、スクリプト(送りと編集シート)が順次届く。
- 各部から届いたオフラインデータは、整理してバックアップする。
- 素材が揃い始めたら編集機を使用しての実作業の開始となる。
- 「送り」とは 撮影順のカットナンバー、OK、NG等が撮影ロール別に記載された表。
- 「編集シート」とはカット毎に書かれたシートで、現場セリフ、役者の動き等が記載されている。台本に線割りをして書き込まれた「割り台本」の場合もある。
音付け作業
映画の場合、画と音は別々に収録されているので、編集機に読み込み後、カチンコで両者を合わせて編集素材クリップを作成していく。
1.画データを読み込む(インジェスト)
画データのファイル名は、収録時にカメラが自動的に付けた通しのナンバーになっている。このナンバーを「送り」に従って作品のカットナンバーにリネームする。
※リネーム時の注意点として、後のデータ出し時に本編集機で読み込めない文字や記号などがあるため、あらかじめ本編集を行うスタジオに確認を取っておく必要がある。
2.音データを読み込む
音データは、編集部に届いた時点でリネームされている場合とされていない場合がある。リネームされていない場合も編集部がリネームをする必要は無く、録音シートに書かれたナンバーを参考に作業を進める。
3.画と音を合わせる
同じカットの画と音のカチンコを拾い、同じ位置に貼付ける。
上記の図の②のコマが画と音のカチンコが叩かれたコマであり、両者を合わせることにより初めて音付き素材が見られる状態となる。
クリップを作成したら編集素材の出来上がり。
カチンコで音合わせをしない場合
- 画データと音データのTC(タイムコード)を一致させて収録を行い、TCで画と音の同期を行う方法もある。
- 画データと共に収録されているガイド音(カメラマイク音)と音データの波形の一致する箇所を自動的に同期させてくれるソフトの使用も一つの手段である。
音付けが完了したら、本編集や録音部とデータ出しのテストを行う。データ出しに不具合が生じた場合、早めの対処ができるのでやった方が良い。
ニューラッシュ
編集前又は編集中の映像素材の事を「ラッシュ」という。音付け作業後、シーン順カット順に並べ、カチンコ付いた状態で初めてスタッフが映像素材を見る事を「ニューラッシュを見る」という。フィルム編集のときは良く行われていたが、デジタル編集になってからはあまり行われていない。ニューラッシュDVDを編集部が現場に送り、各パートが各自にチェックする方法が主流となっている。ニューラッシュDVDが必要か否かは事前にラインプロデューサーに確認しておく。
編集作業開始
スクリプターが作成した、「編集シート」又は、「割り台本」を元に編集していく。「編集シート」「割り台本」は監督の意向や現場で生じた注意事項なども記載されており、編集作業をスムーズに進められるための編集指示書である。
編集作業は台本に沿って行い、登場人物の心情や作品全体のバランスを把握しながら進める。また、編集作業は画と同時に音の編集(ズリ上げ下げ、オフのセリフ入れ、サウンドオンリー入れ等)もしていかなくてはならない。画と音、両方を繋いでいくことによって作品が編集されていく。